エステルの父、カシウス・ブライトはリベール王国内のみならず、ゼムリア大陸にその名を響かせるほどの人物だった。
その卓越した実力と存在感は「敵」にとっては脅威以外のなにものでもなかった。
敵、それは《結社》とも呼ばれている組織《身喰らう蛇》。
邪魔な存在であったカシウスの暗殺をはかるべく、結社の幹部である《教授》
ことゲオルグ・ワイスマンは、とある少年の心を書き換え、暗殺者として育て、カシウスのもとへ送り込む。
その少年こそ、ヨシュアだった。
しかしカシウス暗殺に失敗。
逆にワイスマンによって追われていたところをカシウスに救われ、ブライト家の養子となるヨシュア。
ワイスマンの手を離れ、自由を手に入れたかに見えたヨシュアであったが、ワイスマンの
暗示により無意識のままカシウスの動向を結社に報告していたのだった。
ワイスマンとの再会により暗示を解かれ、その重い事実と自身の過去を取り戻したヨシュアは、もはやエステルの前にいることができなかった。
七曜暦1202年。
遊撃士協会・ル=ロックル訓練場。
そこには正遊撃士となったエステル・ブライトの姿があった。
ヨシュアを想う気持ちを胸に秘め、彼女の物語がいま始まる――。
最終更新日 :
2014年07月04日 (金)